第二章 中東紛争参戦

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 店内の時計を見る、初めて供の男が口を開く。 「モンスール様、御時間が迫っております」  それはアラビア語だった、モンスールはやはりどうにもとの表情を浮かべる。 「やれやれ忙しないことじゃな。済まないが失礼させてもらうよ、アイランド君」  君達はゆっくりしていってくれたまえ、そう残して二人は行ってしまった。 「何だか先生といった感じの方でしたね」  ヌル少佐が端的な感想を漏らす。 「そうだな、教導者なのは確かだろう。それよりヌル、俺はただの一般人だ、女王と同列に祭り上げるのは勘弁してくれ」  プレトリアス郷では神と崇められるし、こいうった内容はこりごりだとうなだれる。 「それは申し訳御座いませんでした。以後は胸の内にしまっておきます」  コーヒーを一口飲み何事も無かったかのようにしている。  ――強くなったもんだよ、まあ悪いことじゃないさ。  残っているのを一気に飲み干すと出入り口に目を向ける。 「あ」  島がつい腑抜けた声を出してしまう。 「ご命令は必ずや」  ヌル少佐が笑みを浮かべる。二人の瞳にはエーン大佐が無表情で近づいてくる姿が映っていた。
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