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店内の時計を見る、初めて供の男が口を開く。
「モンスール様、御時間が迫っております」
それはアラビア語だった、モンスールはやはりどうにもとの表情を浮かべる。
「やれやれ忙しないことじゃな。済まないが失礼させてもらうよ、アイランド君」
君達はゆっくりしていってくれたまえ、そう残して二人は行ってしまった。
「何だか先生といった感じの方でしたね」
ヌル少佐が端的な感想を漏らす。
「そうだな、教導者なのは確かだろう。それよりヌル、俺はただの一般人だ、女王と同列に祭り上げるのは勘弁してくれ」
プレトリアス郷では神と崇められるし、こいうった内容はこりごりだとうなだれる。
「それは申し訳御座いませんでした。以後は胸の内にしまっておきます」
コーヒーを一口飲み何事も無かったかのようにしている。
――強くなったもんだよ、まあ悪いことじゃないさ。
残っているのを一気に飲み干すと出入り口に目を向ける。
「あ」
島がつい腑抜けた声を出してしまう。
「ご命令は必ずや」
ヌル少佐が笑みを浮かべる。二人の瞳にはエーン大佐が無表情で近づいてくる姿が映っていた。
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