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◇
「義兄さん、少し時間をいただけますか」
司令部代わりのスイートルームへ不意にハラウィ中佐がやって来た。サルミエ少佐を見る、一報を受けていたようで頷いていた。
「ああ、どうした」
「実は配置替がありまして、自分は第六特殊独立大隊長に任命されました」
「第六というと……」
――俺が初めて任官したのが確かそうだったな。
当時のハウプトマン中佐がその後どうしたかまでは知らないが、臨時のものだったはずだ。
それが再度設置されたということは、何かしらの特命が下ったということになる。
「はい、再編制された部隊です」
「第一旅団の席次を蹴ってまでやることというわけか」
喋っていて若干嫌な予感はしていた。それはすぐに現実のものとなる。
「自分の自由裁量での行動を許可されています、人員はさほど無いですが。紹介したい将校を連れてきました。会っていただけるでしょうか」
「勿論だ」
笑顔で快諾する。三人の男がすぐに執務室へと入って来た。
横一列に並ぶと胸を張り敬礼する、島も立ち上がると答礼した。
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