第二章 中東紛争参戦

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「第一戦闘部隊長アーザール・ラフード少佐です!」 「航空部隊長セリーム・バビナ少佐であります!」 「第二戦闘部隊長エリアス・カラミ少佐です!」  それぞれが自己紹介をした、島が記憶の糸を手繰り寄せようとする。 「……かつての中隊長らか、久しぶりだな島中将だ」  十年前に大尉だった三人が少佐で足踏みをしている。一方で中尉だったハラウィは今や中佐で階級が逆転した。  背後に控えている人物の差はあるだろうが、当時の精鋭が据え置きは納得いかない。 「大隊設立に際して各所より引き抜きました」  島が目で理由を問う。 「南レバノン独立騒ぎがあって以来、三名は主流派から外され僻地勤務をしていました。宗教の派閥を越えた協力を叫んだからです」  視線をハラウィ中佐から三人へ戻した。  ――俺のせいというわけか。レバノンで大変動でも起きん限り、派閥に手を入れようとするのは厳禁。それと知って尽力した結果がこの様というわけだ。  特務部隊に再度引き抜かれ、更に崖っぷちに追い込まれたとも言える。
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