第二章 中東紛争参戦

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◇ 「装備が必要になるな」  ぼそっと島が呟いた。レバノン軍から融通させてはいけない、そうなれば正規軍がその分弱体化するから。  買い付けるにしても国内に勝手に運び込むわけにも行かない、どうしたものかと悩んでいるとサルミエ少佐が内線で誰かを呼び出していた。  少しするとハウプトマン大佐がやって来る。 「閣下、お呼びとのことで参上致しました」  何で大佐を呼んだのかとサルミエ少佐に視線をやる。 「ボス、装備品の調達についてならば大佐が担当だと、グロック准将が」 「そうか、そうだったな」  ――初耳だよ。  今さらそんなことで一々何とも思わなくなっていた。上手い事やるだろうと既定路線の一つ扱いする。 「今後想定されるシリア内での中強度紛争で使用する装備品の用意を行うんだ」  大枠のみを示し相手の反応を伺う。 「想定規模兵数はいかほどに設定致しましょう」  過不足幅を小さくする、決めるのは司令官の役目だ。 「兵は千、武装強度は軽歩兵、対人を重視し、現地整備負担は大きくても構わん。汎用性は低くても良いが、不能を発生させるな」
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