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まるで自分の事のようにはっきりと言い切る。どこかで深く繋がっている証だろう。
「そうか。予算の概算はどうだ」
「千人規模であれば千二百五十万ユーロあたりかと」
どこにも値段は書かれていなかったが即答してきた。
「千四百万ユーロだ、マリー中佐が必要とする装備を追加して納品させろ。それとベルでもMDでも構わん、別口で四機買い入れるんだ」
――南アでは採算がとれるかどうかの仕事をしてもらった、今回は儲けさせよう。
「承知致しました」
サルミエ少佐がプラスチックカードを島に二枚差し出す、一瞥してハウプトマン大佐の目の前に押しだした。
「装備代金とは別に大佐に軍資金を与える。表に出る経費とは無関係で好きに使って構わん」
中には百万米ドル入っていると言葉を添えた。当座資金としては破格の金額で大佐も流石に驚く。
「有り難く使わせて頂きます」
大佐が神妙な顔つきでカードを受け取る、それはそれで構わないが重い空気は意思疎通の齟齬を産み出しかねない。
「因みに領収書は不要だからな」
島は意識的に笑顔を作り冗談を口にする。やるべきことは終えたから。
「まずはクローネンブルグのコンテナ買いでも致しましょう」
「そいつは名案だ」
雰囲気を作るのは上司の務め。トントン拍子で進む状況に島は余裕すら感じてしまっていた。
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