第二章 中東紛争参戦

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「フーシ派の排除に忙しいのでは?」  アルカイダ系のテロリスト集団、フーシ派はイランが支援していると言われている。  一方で暫定政府はサウジアラビアが支援をしていて、代理戦争の構図が浮かんだ。 「イスラム国が活発だとイエメンにも影響が大きく、こちらを鎮圧出来れば効果が出ます。何より複数のテロ集団と戦う経験になるので」  指令元であったり、供給元である部分を絞れば確かに現地勢力だけではやせ細る一方だ。 「そうか、中佐の望むような結果になるとは限らないが、俺に協力してくれるだろうか?」  ウマルを直接的に知らない二人は顔色から様々読み取ろうとしている。 「一つお聞かせ頂きたい。閣下は一体誰の為に戦うおつもりでしょう」  それは単純ではあるがとても難しい一言でもある。  ――誰、か。俺の為じゃないが、シリアの民の為というわけでもなさそうだ。  即答は出来なかった。答えが無いわけでは無いが、どのように表現するかを考えて。 「努力では何ともならず理不尽を強要される民、己が正義だと信じる道を歩む者、社会を保とうとあらん限りの力を注ぐ人々、人種も宗教も国籍も関係なく、俺はそういう存在に希望を与える為に戦いたいと考えている」
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