第二章 中東紛争参戦

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 衝撃の言葉にハウプトマン大佐が大きく息を吸い込み己を落ち着かせている。  長年探し求めていた志がまさに今ここに在ると知った。  夢なら覚めてくれるなと高鳴る鼓動を自ら感じながら島を熱い視線で見つめる。 「…………自分はそこまで高みにのぼることは出来かねますが、その想いに力を添える努力をしたいと考えます。閣下、どうぞ自分をお使い下さい」 「ありがとう。貴官の助言に期待している。サルミエ少佐、部屋を用意して各種の手続きを行え」 「ウィ モン・ジェネラル」  二人が連れだって部屋を出ていく。  ――ん、どうしたんだ大佐は?  様子がおかしいが敢えて気づかないふりをする。ボーっとしているのを指摘しては気負ってしまうかも知れないとの気遣いで。 「装備購入打ち合わせの為にフランス入りしてきます。その際に一つ閣下の御許可を頂きたく――」 「大佐が自身の判断で是とするなら、それが俺の判断でもある」  被せ気味に返答した。一度信じると決めた以上、全てを信じ預ける。  それはグロック准将がハウプトマン大佐と共に外人部隊で受け継いだ姿勢でもある。 「はっ、直ぐに出立いたします」  可及的速やかに行う。  島はあまりにも思い当たる節が多く、小さく微笑んでしまった。
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