第二章 中東紛争参戦

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「監視を続けろ」 「ダコール」  攻め滅ぼされる町をそのまま見ている、気持ちが良いものではない。  発砲音が暫く続いたがそ、そのうち戦闘は終わる。  両手を頭の後ろに組まされた者が銃を突き付けられ歩かされているのが見えた。  ストーン中尉は黙ってそれを見詰め、事の一部始終を受け入れる。  やがて歩兵集団は戦利品を獲てその場を去っていった。 「戦闘は終了、町は全滅です」  聞こえているはずだが少しだけ空白の時間があり「現場を確認するんだ」やや抑えられた低い声で指示が出される。  四台が距離を取って町に近づく。それぞれ二人ずつ下車すると、車は外周に散って警戒の任に就く。 「敵に注意しつつ捜索を行え」  ストーン中尉が死体の傍で膝をついて命令を下す。二人が建物の方へと進んでいった。  目の前の死体、傷口から血が流れ出ている。 「銃創……七・六二ミリ、即死だろうな」  胸と腹に複数貰っていて、恐らくはショック死状態。防弾ベストでも着て居たら苦しんでから死ぬことになっていただろうと考えてしまった。
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