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転がっている死体を見て回る、その間は兵が周囲の警戒を肩代わりした。
どれもこれも過剰なまでに銃弾が撃ち込まれている酷い有様で、撃った側の精神状態がうかがい知れない。
「生存者一確認!」
兵が声を上げた。ストーン中尉が現場に向かう。
そこには気を失っている少女が倒れていて、兵に傷の有無を確かめられていた。
年の頃は十歳そこそこ、放っておけばきっと命を落とすだろうことは明らかだ。
「中尉、いかがいたしましょう?」
どうしたものかと兵が尋ねる。いっそ死体だったら面倒もないのだが。
「車に乗せろ、撤収するぞ」
誰に訊ねることもなく判断を下す。これが襲撃や誘拐のそしりを受けるような原因になりかねないのは承知の上で。
兵の一人が肩に抱えるといともあっさりと運ぶ。
「偵察部隊、町の全滅を確認、これより帰還する」
四台は砂塵を上げてその場を離れる。岩陰から走り去っていく車を見る者がいたが、誰一人それには気づけなかった。
生きる為に全てを売る。その行為を誰が責められるだろうか。
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