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裏口から若干の侵入を許してしまう、爆音と振動が感じられた。遠くではなく同じ建物内からだろうものが。
「どうした!」
マリー中佐が声をあげる、直ぐに側近が情報を収集して「一階で自爆攻撃を受けました!」銃撃を受けた敵が死ぬ前に爆弾を起爆させたと聞かされる。
接近される数が次第に多くなり、一階に敵と混在することが頻繁になると被害が爆発的に増加するようになった。
「指揮分隊も一階に降りて戦うぞ!」
――これは危険だ、だがどうにもならん。
通信を聞く限りでは西からの攻勢軍が押しているようで、ここに包囲軍が到達するまでそう長くはない。どちらが先に潰れるかの秒読みになると見ていた。
包帯を巻いた兵が多く居て、階段から降りて来るマリー中佐を見た。弱気な奴も居れば、興奮して肩で息をしている奴も居る。
「ラッカ包囲軍が優勢に戦闘を行っている。ILBはこのまま警察署を死守して、味方の攻撃進路を支援する。各位の奮闘に期待しているぞ!」
負傷者が多い一角に指揮分隊が入り、傷が深いものを休ませる。マリー中佐は視野を広く保ってエルドアン大尉の指揮を見守った。
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