第十章 アレッポ攻囲戦

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第十章 アレッポ攻囲戦

◇  爆破騒ぎから数日、ILB内で動きがみられる。先日漏れ聞こえてきていたアレッポの攻略作戦が発動された。  マンピジュから西南西へ百キロメートル弱。様々な主要都市間公道が集まる重要都市であり、トルコとの国境にもほど近い大都市。  はるか昔は家畜が多数存在していたようで、名前の由来が新鮮な乳から来ている。降雨が見込め、餌になる草木が多く、郊外には緑が生い茂っているのが特徴だ。  丘の上に築かれた都市で、歴史的な価値がある建造物が多数残っていた。  かつてのアル=ヌスラ戦線、現在のタリハール・アル・シャームとシリア政府軍との交戦が主に市街戦になったせいで、様々な建物が破壊されてしまっている。  現在ではそこにイスラム国と民兵団が入り乱れ、区画ごとに支配者が違う程の混乱が起きていた。そこへYPGが踏み込もうとの話になり、水面下での交渉やの動きが加速していた。  歓談室で下士官が自発的に集まり状況の整理を行っている。 「アレッポを攻めてイスラム国を追い出すのは良いとして、レニングラードの戦いのようになったら目も当てられないね」
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