第十八章 百勢力大乱戦

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第十八章 百勢力大乱戦

◇  ラッカでの戦闘は続いた。南西部は連合軍の一部が切り崩して、市街地の三割を奪取している。その場にいたイスラム国兵は中心部へと撤退していき、多くが生きて逃げて行ってしまう。  南部の橋はシリア東部同盟が確保し、橋頭保を護る部隊はレバノン第六特殊大隊が請け負っていた。ラフード少佐の第一中隊、それに民兵が増員されて防御陣地を構築している。  北部のYPGは一進一退を繰り返して、いびつな戦線を築いている。数の割に成果が上がっていない、司令部は躍起になって結果を催促して来る状態。  残る東部はシリア政府軍が場所を占め、少しではあるが包囲を狭めていた。動きが小さいので、何か別の目的を有しているのではないかとの疑念すら産まれてしまう。  一方でイスラム国も黙って耐えているわけではない。反撃を計画しては逆撃して戦果を挙げている、一度はYPGの野戦司令部に接近して肝を冷やした者が居たほどだ。  戦術的にはそのように押したり引いたりしているが、ラッカの外での動きも見られた。採掘した原油を闇で売りさばき莫大な資金を得ている、その使い道に注目が集まる。
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