半分じゃ足りないもの

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そして、シャンプーを初めて自分で選ぶようになった。使い心地はよく分からなかったので、香りで選んだ。 「朝子、シャンプー変えた?」 「顔色も最近いいよね?」 友達はすぐに気付いてくれた。 「好きな人でもできた?」 私はちょっと照れながら頷く。 「誰? 誰?」 「……ナイショ」 「えー、内緒?」 「でも、初恋だよね? 上手くいくといいね!」 「応援するから」 「ありがと……」 もちろん京君に気付かれる訳はない。 でも、些細なことを頑張ることに意味があると私は思うことにした。
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