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痛みのために、気を失っていたようだ。屋外でカラスが鳴く声が聞こえてくる。
足をさする。傷は出来ていないが、少し歪な形に仕上がっている。
「あのやろー・・・」
ふと、横を見る。そこに、人が倒れていて、ぎょっとした、がそれは自分の分身だった。
「すげー、ほんとに似てるな」
改めて、あの男の魔術の凄さを思い知る。最初は手品師かなんかだと思っていたけど、流石にここまで出来ちゃったら認めざるをえない。
でも、少し不満、というか納得し難い所もある。
自分の横でくーすかと音を立てて眠っているのは、白い髪をした自分そっくりな顔の青年だった。
違うのは髪の色だけか?あ、眉毛もか。
そうじゃなくて、見えない部分はどうなんだ?自分と同じ思考回路なのか、本当に。とんでも無く変な奴だったらどうする?自分に食って掛かってきたりして・・・。
その寝顔を見ていると、だんだん恐ろしくなってきた。
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