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「……ご、ごめん!朝から激しすぎたな……」
彼の口元に伝い落ちた唾液を、舌で掬いとる。
稔は咳き込みながらも、嬉しそうな笑い声を立てていた。
「……笑うか むせるかのどっちかにしなさい」
「……あは…っけほ……!だって……」
ケタケタと笑っては、酸素を求めて繰り返しむせる。
その姿が子供の頃の無邪気な笑顔と重なって、俺の顔も綻んだ。
「……って……マジで遅刻する!起きるよ!」
ベッドの脇に置いてある時計がたまたま視界に入ったおかげで、ギリギリ遅刻せずにすみそうだ。
稔にまとわり付いている掛け布団を勢いよく剥げば、白く美しい裸体が現れる。
「きゃー、えっち」
「馬鹿言ってないで……ほら」
手を差し伸べてやれば、稔はその手を掴むことはしなかった。その代わり、同じように俺の方へ両手を差し出す。
「ん」
「……はいはい、お姫様」
全くどこまでもわがままで甘えたな息子だ。
さすがにもう時間もない。
俺は彼の足に手を回し、お姫様だっこで寝室を後にした。
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