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「稔。遅刻するぞ、起きろ」
寝起きが悪いのはいつものことだが、今日は格段に起きるのが遅い。
動く気配のない毛布の塊をゆさゆさと揺さぶってみても、うんともすんとも言わなかった。
これがあるから、夜はあまり相手をしたくないのだ。
「おーい、起きろー!」
15歳が盛んな年頃っていうのは分かるし、抜く手伝いくらいならいくらでもしてやりはする。
けれど、こうなることが目に見えているから、身体を交わらせるのは、休みの前日だけと決めていたのに。
昨日はやたら最後までするといって聞かなかったのだ。
頑固なところは相変わらず、変わっていない。
「起きないなら、もう2度とシないよ」
毛布の上に口を近づけて囁けば、いかにも眠そうな稔が、ひょっこりと顔を出した。
「ほら、起きなさい」
彼の頬に手を伸ばせば、猫のように擦り寄った。
そのまま、俺の親指を探り当てると、口に含む。
わざとらしく音を立ててしゃぶる彼は、上目遣いでおねだりした。
「……きす……ひて……?」
「……はぁ…仕方ないな……」
こんなに可愛く求められたら、父親として断るわけにはいかない。
彼の口から親指を抜き取ると、物欲しそうな瞳がこっちを見ていた。
べっとりと唾液がついた親指を舐めとると、濡れた唇に食らいつく。
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