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一発、二発!
次の瞬間、彼は獲物を狙うチーターのごとく、衝撃の末脚を繰り出し、先を走るロイ ヤルに襲いかかった。
ロイヤルに並びかけたのもつかの間、その差はみるみる開き、ゴールでは4馬身以上の差をつけて圧勝してしまった。まるでレベルが違う走りだ。
ゴール板にレコードタイムを示す赤い数字が彼の何よりの底力を示していた。
彼の末脚は未勝利戦のレベルを超越し、残り3Fのタイムは33秒1と表示された。
場内が騒然とした。
俺は未勝利戦にも関わらず、気づけばガッツポーズをしていた。デビュー2年目でダービーを勝った時に近い喜びだ。
彼を勝たせてあげれたことが何より嬉しかった。
彼は、とてつもない名馬になるに違いない。
俺はそう感じながら、レジェンドを労った
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