伝説のはじまり

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レジェンドが次に出走した舞台は京都第5レース。 500万クラス、芝1600メートル。 ジョッキーが人気のロッシーということもあり、レジェンドは2番人気に支持された。 レース前のインタビューで、『期待の程は?』と聞かれたロッシーは、『元々、力のある馬だから、誰が乗っても前回ぐらいの圧勝があっても何の不思議もないよ。今回はもっとすごいレースをしてみせるよ!』と余裕の笑顔で話していた。 ちなみに、この日の俺は新潟で2鞍に乗る機会があり、控え室でたまたま見てしまった。 (はらたつ~) しかし、この日の俺は少し気分が良かった。なぜなら新潟の第1レースと第3レースを既に勝っていたから。しかもいずれも8番人気以下の不人気馬だ。 調子が戻ってきたようだ。 (後はレジェンドのレースがどうかや。レジェンドには勝って欲しいけど、ロッシーには勝って欲しくないな。) そんな複雑な思いで、京都第5レースを待ちわびた。 パパーン… 京都競馬場のファンファーレが鳴る。 次々とゲートに馬がおさまる。 いや、おさまらない馬が1頭いる。ゲート前で立ち上がろうとする暴れ馬がいる。 (レジェンドだ!) いったん、全ての馬がゲートから出され、レースは5分も遅れようとしていた。ロッシーがなんとかレジェンドをなだめようと必死だ。しかし、レジェンドはおさまる気配がない。 時間だけが経過する。これ以上、暴れたら出走取り消しだ。 と、次の瞬間、ようやく複数の係員になだめられたレジェンドがゲートにおさまる。 すかさず、ゲートが開く。 ガッチャン! やはり、レジェンドは立ち上がってしまい、大きく出遅れた。 場内からため息と罵声が飛び交う。 結果は16頭立ての15着。 惨敗だ… 俺は複雑な心境の中、モニターから離れられなかった。
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