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「それに、何をするにも、ちゃんと私の意見も聞いてくれるのよ」
「それって、自分の意見がない、流されやすい優柔不断な男ってだけじゃなくて?」
「違うわよ、
なんでも、私の言いなりになるんじゃなくて、
彼は、私の意見と自分の意見をうまく合わせて、最適な答えを出してくれるんだから」
「ふーん、いい人ね」
「そうなの、
でもね、ちょっと変わったところもあって、
彼は甘い物が大好きなんだけど、
どんなに自分が好きなものでも、必ず私と半分こにしてくれるの」
「半分こ?」
「そう、
彼が、行列のできるケーキ屋さんで、入手困難なケーキを買ってきてくれてね、
私は彼が食べて喜ぶ顔が見たいから、一人で全部食べていいよって言ったの、
すると彼は、嬉しそうに自分の口元まで運んでから手を止めて、
やっぱり二人で半分ずつ食べようって言って、私に分けてくれるの」
「へぇ、優しいのね」
「うん、なんでもそうなのよ。
ケーキも、ステーキも、フルーツも、てんぷらやお寿司だって、
なんでも半分ずつにして、私にくれるの。
優しいのは嬉しいんだけど、おかげで私も、ちょっと太っちゃったわ」
「へぇ、お熱いことね。
まったく、ごちそうさまだわ」
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