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山岸は、歴史の授業でその事実を知って衝撃を受けたようで、その日から図書館から借りてきた分厚い過去の文献を読み漁るようになった。 小説を読むのも嫌になるくらいの勉強アレルギーの俺には、山岸がそんなに夢中になる訳がさっぱりわからなかったけど。 山岸は、その日もいつものように図書館の帰りに、俺の家にやって来たのだった。 山岸は、流星群の写真を見つめながら、ぼそりと言った。 「昔はさ、流れ星が消えるまでに、三回願い事を唱えると、その願いが叶うって言われてたんだって」 「なにそれ、都市伝説かなんか?」 「違うよ、昔から信じられてる言い伝えだよ」 山岸は、少し自慢気に話始めた。 「そもそも、この言い伝えには、いくつか起源があってね、もともとはアルタイ系民族の古い習慣で、彼らは流れ星を神様が地上の様子を見るために、天の扉開いた時に漏れた光だと考えていて、だから流れ星が見える一瞬の間に願いを唱えれば、神様が叶えてくれると考えられていて、一方、ヨーロッパでは………」 俺は面倒くさくなって、途中で聞くのをやめた。
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