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第7章 ブラザーフット(つづき)
「じゃあ、一緒にやろう?」
うん。
再び私の肩の上で彼が頷き、ようやく機嫌も直してくれた。
「それじゃ、お味噌汁作ろうか。冠くん、具材切ってくれる?」
「うん」
私は、用意してきた具材を調理台に並べ、
ちょっと嬉しそうに切り始めた彼を横に、出汁巻き卵の準備に入る。
そして程なく味噌汁の具材が全て整い、出汁に入れたナスと揚げに
火を通し始めると、包丁などを洗い終えた彼が隣にきて
小さく頬に唇を寄せてきた。
「冠くん。お料理中は、約束違反」
不意で少し驚いたこともあるが、私は思わず小さく眉根を寄せる。
それに彼は、わずかに上目遣いになって口を尖らせた。
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