第7章 ブラザーフット(つづき)

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しかし、思春期を迎える頃。 生さぬ仲という現実が、反抗的なものを彼の中に生じさせたらしい。 「あの頃って、身近な存在っていうものがすごく面倒で、 ひどく批判的に見えてしまう年頃でしょ?  だから僕も、自分がいつしか彼らを父、母と呼んでいた事に すごく違和感を覚えたんですね」 そして、それから数年。 アメリカの大学に行くために彼らの元を離れるまで ずっと名前で呼び続けていたのだという。 「今から考えるとね、ちゃっかり、しかも十分に養ってもらっていながら 何やってんだって、あまりの愚かさに笑えてきますけど。 でも僕は、彼らと物理的に距離を持つまで、どれだけ自分が慈しんで 大事に育ててもらってきたのかに気付けなかった」
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