第7章 ブラザーフット(つづき)

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いつもは、こんな時に限って口下手になる僕にしては、 素直に、上手く気持ちを言葉にできたと思う。 そして恐らく、それが伝わったのだろう。 目の前の彼も、微笑んで頷いてくれる。 だが次の瞬間、その微笑みがニヤリとした笑いに変わった。 「それに冠汰さんは、今、幸せの絶頂にいますもんね」 えっ……。 そして、今度は反対に戸惑う僕に、更にニヤリと笑いを広げる。 「今朝だって、二人で仲良く朝食を作ってくれてたじゃないですか」 「み、見てたんですか?」 僕は、思わずギョッと聞き返した。 だが、それに益々嬉しそうに彼が頷く。 「あの、どこから……?」 おずおずと尋ねた僕に、彼は満足そうな顔でカップを口元に運びながら のんびりと言う。
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