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「でも、ここはウチじゃないでしょ?」
「そうだけど。でも危ないのは、変わりないでしょ?」
すると、「ごめんなさい」とわずかに視線をショボンと落とす。
「だけど、昨日からさっきまで
僕、一度もナッちゃんをギュッて出来なかったし、キスだってしてない……」
冠くん――。
いつもはたっぷりのスキンシップを好む彼だけに、そんな不満もよく分かる。
そして、どこかで困った坊やだと思う反面、やっぱりこんな彼は
可愛くて仕方ない。
だから私は、軽く煮立った鍋の火を止め、彼の頬をそっと片手で包んだ。
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