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「実は、ここがあまりきれいな場所なので、ちょっと早起きをして
ランニングでもしようかと思ったんです。
それで、そっと下に下りて行ったら、
仲良さそうにハグしている姿が見えて……」
えっ……。
完全に言葉がなくなった。
もう、そこから見られていたということは、
僕がナッちゃんに甘えていたところも見られているということなのだろう。
そう思うと、見る見る顔が熱くなる。
だがそんな僕を余所に、彼は、やっぱり嬉しげに言う。
「実は、僕ね、どうも自分を振り回す女性を好きになってしまう傾向が
あるみたいでしてね。
事実、今回の来日には、ガールフレンドのミシェルも一緒に来るはず
だったんです。でも、直前にちょっとしたケンカをしたら、
突然キャンセルすると言われましてね。
だから母からは、もっと僕を大事にしてくれる人を選べって
いつも言われるんですよ。
それでね、恐らく今回は貴方たちの仲睦まじい姿を見せて、
女性選びのお手本にさせたいと計画してもいたんだろうなって思うんです」
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