第7章 ブラザーフット(つづき)

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また、いつでもあちらに遊びに来てください。 翌日の昼前、空港のロビーで笑顔の父に言われる。 二泊三日の短い家族旅行を終えた、翌日。 僕たちは、借りた車で空港まで彼らを送っていった。 そして空港に着いてみると、 彼らを軽井沢まで送ってきた運転手さんによって 既に、みんなの残りの荷物が運ばれてきていた。 「冠汰くん。車は、ここで返してください。 帰りは、この寺崎さんが、お二人を送ってくれますので」 えっ?  僕とナッちゃんは、思わず声を揃えて互いの顔を見合わせる。 しかも、 「レンタカーは、私が返却してまいります」 ニコニコと頷く運転手さんに、そっと手を差し出される。 だから僕らは、素直に父の好意に甘える事にした。
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