第7章 ブラザーフット(つづき)

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「あっ、カンタとナツミって呼んじゃダメですか?」 しかし、チラッとナッちゃんと視線を交わした僕は、 彼に視線を戻して、かぶりを振った。 「いいえ。じゃあ僕たちも、ジョージって呼んでもいいですか?」 それにジョージさんは、大きく笑顔を広げて頷いた。 「もちろん! あぁ、良かった。 ずっと『さん』付けで呼んでて、なんか、どうにもどこかむず痒くて 仕方なかったんですよ」 そして、もう一度僕の手をキュッと握って「ありがとう」と微笑む。 それから、その手を離した彼が、今度はナッちゃんに手を差し出した。 「ナツミ、ステキな旅行をありがとう」 ところが、彼の手に彼女が手を伸ばすと、不意に彼の長い腕が そっと彼女を抱きしめた。 そして、彼女の耳元で細く何かを囁き、 腕を緩めて、彼女に小さくウィンクする。 僕は、そんな彼らの様子を半ば凍り付いたままで見詰めていた。
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