第7章 ブラザーフット(つづき)

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すごく、すごく彼女を抱きしめたくなった。 ものすごく嬉しくて、安心して、今すぐ彼女の温もりを感じたくなった。 だから、 「ナッちゃん、ギュッてしたい」 ダメ元で、ちょっと言ってみる。 だが、やっぱりこれは渋られた。 「ええぇ、だって寺崎さんに見えちゃうよ」 「うぅ……」 分かってる。 分かっているけど、すごく彼女を今すぐ抱きしめたい。 しかしさすがに、何かと鷹揚に僕を甘えさせてくれる彼女も 今は許してくれなかった。 「ねぇ、冠くん。帰ったら、いっぱいしよう?」 もう、これ以上は甘えられなかった。 僕は、ひとつ呼吸をして頷いた。
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