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すると、彼女の指が握った僕の手をそっと撫でてくる。
「ありがとう。
それと、冠くんが疲れてなければ、帰ってから仲良くしよう?」
「えっ?」
僕は、思いも寄らない事を口にされて、すごく驚いた。
そして、
「それって……、エッチってこと?」
俯けた視線を思わず彼女に戻し、おずおずと尋ねると
やっぱり彼女は、ちょっと照れた顔で微笑んでくる。
「実はね、私、明日まで休暇を取ってあるの。
だから私も、この三日分いっぱい冠くんにくっ付きたいなって思って」
「ナッちゃん……」
僕は、またしても、もの凄く彼女を抱きしめたくなった。
大好きで、もの凄く好きで、言葉なんかじゃ言い表せないくらい
彼女が愛しくて堪らない。
だから僕は、彼女を腕の中に囲う代わりに、
握った彼女の指先に小さくキスをした。
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