第7章 ブラザーフット(つづき)

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すると、彼女の指が握った僕の手をそっと撫でてくる。 「ありがとう。 それと、冠くんが疲れてなければ、帰ってから仲良くしよう?」 「えっ?」 僕は、思いも寄らない事を口にされて、すごく驚いた。 そして、 「それって……、エッチってこと?」 俯けた視線を思わず彼女に戻し、おずおずと尋ねると やっぱり彼女は、ちょっと照れた顔で微笑んでくる。 「実はね、私、明日まで休暇を取ってあるの。 だから私も、この三日分いっぱい冠くんにくっ付きたいなって思って」 「ナッちゃん……」 僕は、またしても、もの凄く彼女を抱きしめたくなった。 大好きで、もの凄く好きで、言葉なんかじゃ言い表せないくらい 彼女が愛しくて堪らない。 だから僕は、彼女を腕の中に囲う代わりに、 握った彼女の指先に小さくキスをした。
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