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第8章 初めてのクリスマス
秋の軽井沢で、清乃さんと散歩に出た時、彼女が二つの話を聞かせてくれた。
その一つは、彼女の立てた二つの計画。
一つは、血縁はないが、戸籍のどこかで繋がる兄弟。
そんな彼らに、少しでも距離を近づける機会を設けてあげたい。
そしてもう一つは、
「ジョーくんってね、どうも、まだ本当に自分に合う女性っていうものが
分かっていないと思うの」
すぐ近くに、本当に彼を思い、必要な存在となれる人がいるのに
気付いてもいない。
だから、私たち夫婦の姿を通して気付いてくれたら。
それが、彼女の願いだと言っていた。
そしてその話をした時に、不意に言われた。
「冠汰くんは、どうやら甘えん坊さんみたいね」
えっ……?
私は絵に描いたように、言葉に詰まった。
しかしそれが、朝食の準備風景を
こっそり親子三人で見ていたからだと分かって、尚のこと言葉を失くす。
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