第8章 初めてのクリスマス

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だが、そんな私に清乃さんは「安心したわ」と言ってくれた。 「実はね、ウチの主人も、すごくスキンシップを好むの。 それこそ、歩く時は手を繋ぎたがるし、並んで座れば肩を抱いてくる。 今でこそ人前ではしなくなってきたけれど、 昔は、人が居ようがハグもキスもしたがってね」 やっぱり、親子だわよね。 クスクス笑う彼女の話に、今度は驚きのあまりに私は声を失う。 あの、お義父さまが……。 しかし、そんな私を横目に「でもね」と彼女は続けた。 「その彼の性格に、病気をした時はすごく救われたの」 結婚後、間もなく彼女は、病気で子供が産めなくなってしまった。 しかし、お義父さまが子供好きで子供を欲しがっていたことも 十分、承知していたし、冠くんという存在も知っていた。 それだけに、彼女の胸中はすごく複雑になったという。
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