第7章 ブラザーフット(つづき)

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~ *** ~ 「冠くん、ちょっとお散歩に出てくるね」 唐突にナッちゃんに切り出されたのは、 二人で作った朝食を楽しんでもらい、一息ついた後。 父をビジネス関係者の別荘へと送り出した、午前十時半過ぎのことだった。 「えっ? ナッちゃんひとりで?」 リビングに戻ってきた途端、いきなり言われて僕は、にわかに戸惑った。 しかし、彼女の言葉も態度も、明らかに僕たちを誘っていない。 それに僕は、更に困惑する。 だが彼女は、柔らかく微笑みながらかぶりを振ってきた。 「会社の人にね、美味しいパン屋さんをおしえてもらってきたの。 だから、清乃さんとそこまで行こうって話になって。 あっ、お昼は、そこのパンでサンドイッチでいい?」
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