第7章 ブラザーフット(つづき)

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うん――。 なんとなく頷いたものの、どうして彼女たちだけで行こうとするのか 少し不安になる。 しかしジョージさんは、こんな彼女たちの行動を予測していたらしい。 「やれやれ……」 夏海さん、準備OKよ。 ウキウキ顔で、部屋から帽子をかぶって下りてきた清乃さんを迎え、 彼は、小さく肩を竦めながら苦笑をした。 しかし僕は、彼女たちの意図がまだ読めず、ちょっとオロオロしたまま。 そして、そうしている間に、清乃さんに頷き返した彼女は 笑顔で手を振りながらリビングを出て行ってしまった。 あっ……。 僕は、半ば呆然と彼女たちが消えた扉を見詰めた。 そんな僕の背後から、ジョージさんの声が静かに言う。 「母はね、心根が暖かい人なだけに気遣いも細やかなんです。 けど、どうにも策略が、あまりにも下手すぎる。 ビジネスには、まったく向いてませんね」
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