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――ピンポーン 「はいはーい」 「警察です。先程、通報がありましてね。 自宅に見ず知らずの男がいると……君かな?」 「は? いや、俺、息子のタカシです」 「おや。それはおかしい」 「何が?」 「この家は、私の同僚の家でね。タカシ君とは知り合いなんだが」 「――今日は凄い活躍だったね、おじいちゃん」 「フンッ。目が見えなくたって音で分かる。  それに電話の着信音がお前からのだったから、何も心配しとらん」 「こっちは心配だっての。たまたま財布拾って電話したら知らない人でるし。  俺が電話してなかったらどうするのさ」 「わしが相手してやったさ。遊び半分で老人をからかうもんじゃない」 「……おじいちゃんも、遊び半分で犯人からかわないのっ」 「ふはは! からかってないさ。警察の家に大胆に入った犯人との駆け引きよ」 「ったく、オレオレ詐欺が、押しかけ詐欺だなんて世も末だね」
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