クーデリカ・レポート

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なんだかいけないものを見ている気がして、クーデリカは回れ右をしようとする。
しかし、老婆に肩を掴まれた。

「よく見ておいてね。
これがお爺さんのお仕事よ」

老人はメスを懐から取り出す。
一切躊躇う様子も無く、それを男の腹に突き刺した。

その後の記憶は暫く欠損しており、次に明確に映写された場面は、また、この研究室での一幕だ。

クーデリカがコーヒーを片手に、実験室の扉を開ける。
台の上には、腹を裂かれてぐったりとした、禿頭の男が括り付けられていた。
あの、幼年学校でクーデリカ達に植物学を教えていた講師だった。

「……そうだ、学校行かなきゃ」

それだけ呟くと、クーデリカはコーヒーカップで老人の頭を殴りつけた。
その後の映像は曖昧になる。

最終的にクーデリカは老夫婦を殺害したようだが、結局学校には行かなかった。
その理由は分からない。