幸せのそれから

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 これが私が選んだ男だ。自分の男の見る目のなさに嫌気がさしてきた。  でも、  陽平さんがよかった。こんなふうになっても、陽平さんに助けを求めている。 (陽平さん、助けて。助けて)  しかし、陽平はくすくすと笑うだけだった。 「俺は最後でいいよ?」  その笑みに私は凍り付いた。 「トモミちゃん、蹴太(しゅうた)って知ってる? 中学生のとき、君にブロックされた人だけど」  あのときのスト―カー! 「きゃははっ、私があんたにつききまとってた人を探すのに、どれだけがんばってたと思う」 ……その執念を別のところで活かせば。皮肉を言いたかったが、ガムテープで口がふさがれて言えなかった。
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