2 やはりテンプレ

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ひとまず付き人はヴァンパイアメイドのガレさんにお願いすることになり、準備は終了。 約2日ほど世話になった魔界としばし別れる時が来たらしい。まぁ学園の休みにでも戻ればいいか、なんて悠長に身構えてたら「戻らんでいいわい」とハデスになぜか怒られた。「一応、俺、ここを故郷と考えてますが」と言った瞬間にハデスがボロ泣き、メイドのマーリンさんとラウムさんがそれを宥めながらハデスの髪を三つ編みにして遊んだりとカオスである。 あー、意外に寂しがりやなのかな?ハデスは。 たまに連絡を取れるように、修行中に武装魔石をひとつ粉々に砕いて再結晶化させて作り出した名探偵が真っ青になりそうなイヤリング型通信器を渡したらハデスったら上機嫌なのよ。 「なんか父の日プレゼントをもらった気分だ!」って。 そんなカオスな別れをして二時間ほど経ち、人間界へと俺は降り立った。ガレさんは既に前乗りして状況視察しているらしい。ちなみに俺の移動手段は転移とかじゃなく、くっそ不安定な背中を持つ冥界のクソ犬ことオルトロスのもっちりーに君230歳に乗り、もっちりーに君の能力であるステルス迷彩を駆使して移動した。 目指すは王国ヘヴェレスト。「朽ちた城」「鋼の城」「王城」の三つの城を持ち、朽ちた城の敷地内にあるのが魔法学園。 人口はおよそ7万人で、地球の似たような面積の場所を指すなら、千葉県全域くらい。そこに七万人くらいしかいないらしい。どんだけ未開の地なのだろうか…。 もっちりーに君の休憩をちょいちょい挟み、ヘヴェレストの近くの森までやって来た。もっちりーに君とはここでお別れらしく、もっちりーに君はキラキラと光りながら魔界へ還って行った。 ちなみに転移をしなかった理由は単純に探査網に引っかからないようにする為で、本当ならば転移で余裕で来られるのだが色々と後で勘ぐられても困るんでね…。ほら、学園に一人はいるだろうよ、やたら勘のいい奴がさ。 深い森に着いてすぐに俺は野生的な感覚に狩られ、右後方に向かいバックステップを踏む。 タッタッタと、何か杭のようなものが打ち込まれるような音。 「あぶねっ」 「貴様、今のを避けただと?この深い森の中、探査魔法や光魔法もなしに?いいやまぐれだね、喰らいな!」 なんだなんだなんだ、まさに夜襲だなオイ。
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