2 やはりテンプレ

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「ご、ご、ごめんなさい…抵抗しませんから、ぶ、ぶ、武器をお納めください」 手に持っていたボウガンを真下の地面に放り投げ、両手を頭の上に置いている。しかし立ち膝で木の枝の上に座るとは器用な方だ。服装はぴっちりとボディラインのわかる程にサイズが合わされたスニーキングスーツ風のもので色は闇にとけやすい黒、ダークグリーン、そしてピンポイントにある少しだけはげた色合いの緑。…読めない字がある、多分徽章か何かなんだろう。無視。 そしてこのダークエルフは武器を捨てたのだが、矢の先は真上…つまり、こちらに向かっている。そして一瞬見えた長い髪からボウガンに繋がる一本の線。油断したところで矢を放つと。そしてそれが外れれれば肉弾戦かな?どの道、あの矢に毒はなかったが何やら怪しい液体がついていたのは間違いない。あれで俺を無力化させるのが目的なのだろう。しかし、ダークエルフってなんなんだ…。 「髪から伸びた魔力伝達の糸を解き、真下に降りて腹ばいになれ。話はそれからだ。死にたくねぇなら従え」 「な、な、な、な、バレてるだと?」 あら、演技がお上手ですこと。主演賞クラスだな…。いやいやそんな呑気に構えてる場合じゃない。 こうしてダークエルフは狼狽しているような素振りはしているものの、一向に従う気はないらしく地面に降りない。そうなるとこうしている間に増援が来るのを待っているのか…。まぁどの道人質もといエルフ質がいるから増援も下手に手を出すまい。 まぁ仲間意識がどの辺まであるかは別としてな…。 っと、やはり増援か。遠くから数人の足音。距離は300…280…260…速い。 次第に俺のナイフを握る力が強くなる。それに伴いダークエルフの首筋から僅かに血が溢れ出す。 くっ、ぐっ、と声を漏らしながらダークエルフはその首筋に突き付けられた殺意に抗うように見せてはいるが降参しようと言う気はないらしい。 そして迫り来る増援らしき人影…かなり近い。武器に気付いたのか、歩幅をゆっくりとしたものに変えた。 矛先は当然真上を見ているから、必然と増援はこちら…木の枝の上の我々を視認する。 ポキッ 「ほ?」 やはり異世界と言えど自然は強い。しかし、脆い。 たった二人の成人が登っただけでこうも簡単に…。 視界が徐々に地面に近付く。…あら、エルフさん気絶してる。一応助けとくか。
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