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「なんと……。この人間、我々の猟場と知らずに立ち入り、自らの危険を顧みずに酋長の射撃ポイントのもろさを伝えるためにわざわざ…。」
なんか勝手に勘違いしてくれてますね。ラッキーです、はい。説明もとい弁解の手間が省けて助かる。
「すまない、我らが酋長の御身を助けていただいておきながらこの様な仕打ち」
ダークエルフの増援達は武器をガチャガチャと投げ捨て一様に礼をする。しかしながら俺の膝に横たわる酋長さん、そろそろどけて欲しいッス。重くないけどちょっと疲れた。
「…は!こうしちゃいられないわ、恩人をもてなさなければ!ささ、我らの住まう集落にお越しくださいませんか?」
酋長さんは俺の心境を汲んでくれたらしく、少し名残惜しそうに膝枕から起き上がり俺を案内しようとしている。
しかし俺の予定では今夜、ヘヴェレストに入る予定だったのでいささか時間のロスが…。
それにガレさんも……っていうかガレさんの居場所、俺知らないや。ハデスに聞いてみるか。
「こちらカズマ、ハデス応答せよ」
ポケットに忍ばせた通信ペンダントでハデスにコンタクトを取る。ほどなくハデスから返事が来る。
『カズマか。…お前今エルフの森にいるのか?』
「あぁ、もっちりーに君が先に帰還しちまったからね。んで今ダークエルフさん達に遭遇したとこ」
『マジか。ガレは確かヘヴェレスト入りしてるはずだが…ちょうどいい。お前に契約の仕方教えとく。魔方陣に入れといたからあとで試してみるといい。
で、ガレには俺から伝えとく。すぐ今いる場所に来るだろう。じゃ』
一方的マシンガントークをしたハデスは俺の脳内魔方陣に勝手にライブラリを増やしたらしい。あとで見てみるか。
「カズマ様!…ん?……あれ、ダークエルフの酋長のミカサじゃない?」
「ガレット?きゃー、久しぶり!300年振りかしらー?」
ガレさん、ガレットって言うんだ。初耳です。
通信が切れて5秒立たずに現れたガレさんは、どうやら級友らしい酋長ことミカサさんと久しぶりの再会。
…年数に突っ込みをいれなければ、年上ギャルの同窓会を見ているようだ。
「ていうかガレットの知り合い?それとも主?」
「いえまだ眷属にはなってませんので。」
け、眷属?なんだなんだ新ワードばっかりじゃん
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