3 ほんとにテンプレ?

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俺の朝は割と早い。現在時多分5時くらい。 新聞配達のバイトからのコンビニの朝勤、昼から夕方に仮眠を取って夜は居酒屋バイト。 この生活に慣れていたせいか、一日の睡眠時間は4~6時間程度だ。 あの日、居酒屋のバイトを早上がりして帰宅したところ俺はハデスに呼び出された。 元の世界に戻れない、ということを考えると俺は恐らくは殺されたかあるいは死ぬ間際だったのかもしれない。そこをハデスに拾われた、と言えば筋も通る。 しかしながら元の世界に戻ったところで、バイト地獄が待ち構えている。それに俺が死んだところで弔う奴も墓参りする奴もいない。 俺はひっそりと死んだのだろう。無縁仏として、あの世界に骨だけ残して。 「カズマさん、おはようございます」 美人な眷属こと、ヴァンパイアのガレさんが妙にツヤツヤピカピカしながら俺に笑みを浮かべる。本来ヴァンパイア一族は日の光に弱いはずだが、ハデス曰く「それも、地球の人間のホラよ。完璧な奴なんているわけない、っていう先入観からだろ。日の光に弱いわけないじゃん」と。 弱点はむしろ、夜は決まった時間に寝てしまうことくらいだろうか。なんという健康体質。 「おはよ、ガレさん。なんか肌ツヤがいいね」 「あらやだ。私を一晩抱きしめておきながら随分ゴアイサツね、カズマさんは」 「ははは…」 エルフの里で一晩を過ごした俺とガレさん。 背中に背負っていたガレさんを降ろし、別に設けられた部屋に行こうとすると聞こえた声。 「行かないで、抱きしめて」 か細い、蚊の鳴くような声だったが味覚以外が強化された俺にはハッキリと聞こえた。 うっすら涙を浮かべ、シーツを握りしめる彼女が妙に愛おしくなり、俺は「添い寝」した。 そう、添い寝しただけだ。抱きしめてはいない。万年DTどころか魔法使いにまでなっちまった俺に、そんな勇気や甲斐性があるとでも? 「それより、今日は俺の学園入学の買い出しだよね? 制服とか体操着とかいるんだよね、確か」 「た、タイソーギ?セーフク?なんですか、そのなんとなく艶かしい響きの言葉は」 「ちっとも艶かしさなんてないんだが」
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