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「人間のガキ共の通う学園という場所で、資料をもらいました。
服装自由だそうです。ですので、先ほどおっしゃられたセーフクとタイソーギというものは不要かと」
「自由な学園だなぁオイ。」
「ですね。
現在時5時ちょうど、特別待遇を得られる資格試験は8時エントリーの8時55分開始だそうです。
武器、使い魔、魔法ありで殺さなければ勝ちとの事です」
つらつらと説明するガレさんはいつの間にか左目にモノクルを装備している。だが彼女、視力はズバぬけて高いから多分ダミーあるいは翻訳機能付きとみた。
布団にもう一度ダイビングして二度寝してエントリー時間を逃したらアザゼル師匠に合わせる顔がないので、うんと伸びをしつつベッドから降りることにした。
「あらっ?カズマここにいたの?」
ふわっとした雰囲気を従えながら、ドアを開け室内に入るミカサさん。服装はパジャマだ。
「ミカサさんおはよ。昨日、ガレさんを運びに来てそのまま寝ちゃったみたい。」
「あらあら。カズマさん、そういうのって隠さなくてよろしいんですか?」
「なんで?ミカサさんとガレさんは俺の眷属であり家族みたいなもんだよ?隠し事なんて必要ないじゃない。」
それを聞いたガレさんとミカサさんは顔をぽっと赤らめる。ちょっと薬の効きが強すぎたかもしれないが、まぁ良しとしよう。
「家族家族家族家族家族家族家族家族家族」
「私がカズマの奥さんで…ガレットも奥さん…?一夫多妻?悪くないわね」
2人のイグニッションキーが回されたような、鈍い爆発音が聞こえた気がし…爆発?!
「ガレさん、ミカサさん」
2人は妄想モードから現実に急速落下し、眼差しが変わる。三人とも部屋の南の方角を見据え、ガレさんは目を細めながら
「ここから南に4km、1体。魔力量はさして大したものではありませんが、30m程の巨体ですね。…それと、姿はわかりませんが猛スピードで近寄る影がひとつ……あれが勇者でしょうか」
「おっほー、ひっさびさにガレットの千里眼だ!」
千里眼?俺の知ってる千里眼の何倍も何倍も正確な気がする。ガレさん…恐ろしい子!
「で、その巨体の何かだけど」
「多分ドラゴンか何かでしょう。」
「どうする?俺らはどちら側につけばいいのかな?」
「無論、ドラゴン側ですよカズマさん」
そんな予感はしてた。
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