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「で、君を選抜した理由が
・地球人なのに魔力を有している
・平々凡々な生活
・交友関係薄弱
以上だ。」
「おうよ俺はボッチよ、最高だぜ。」
次第にハデスと打ち解け、話に花が咲く。呼び出した本当の理由は最近人間界から魔王討伐とかほざく馬鹿が多く現れ、仕事に影響が出始めているとの事。
ハデスの仕事は「負の感情の管理と中和」で、これがないと人間だろうが植物だろうが全てが負の感情で覆われてしまい破滅すると。
だがそんなことを知らないガキがチラホラと自己顕示欲を見せたいが為にこちらに侵攻し、その度に戦わせられてしまうと。おまけに弱すぎて手加減してやらないと殺してしまうから神経がすり減る毎日。
じゃあ殺してしまえと言うと、殺せば仕事がバカみたいに増えるから嫌なんだとか。一度手違いで殺した人間に対しての負の感情が激化し、こちら側(便宜上魔界と呼ばれてる)が危うく破綻しかけたらしい。
それからハデスは負の感情をうまくコントロールするために部署をいくつか設け、人間界のバカ(便宜上勇者とry)の監視と露払いをしているらしい。
「でさ、魔王なんだから我々の敵だ!とか言うんだよ。理由もないし、ただ昔話の見過ぎなんだろうね。
そりゃ、悪い魔王もいる。先入観にとらわれて大義名分を見失ってるバカ共から比べればかわいいもんなんだがね。
でもさ、俺なんかしたかな?…グスッ、失礼。
俺なんて寝る間も惜しんで負の感情の管理と中和をやってるんだよ?これがないと俺も、君も、そこのカリフラワーも負の感情に飲み込まれるんだ。」
「なんでカリフラワーを客間で栽培してんだよ」
「うめぇだろカリフラワー!…ゴホン。
んでお願いがあるんだ…カズマ。
欲しい力や武器、能力をあげる。その代わりに人間界を……自然界を助けて欲しい。
俺らのとこに侵攻したバカ共を送り返して数年経ったんだが、どうにも人間界が怪しい動きを見せている。
教会とやらが異世界から勇者を呼び出し、そいつに俺を殺させようとしているんだ。
厄介なことに、その勇者…かなり強いらしくてさ。
正直、そいつに攻撃されたら終わりなんだ。…この通り、数年前にバカ共から受けた傷がまだ治らないんだ。」
ローブをはらりと払うハデスの体のそこかしこに生傷があり、火傷までもがくっきりと残っている。
っていうかローブの中、半袖半ズボンかよ。なにこの魔王様
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