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このボロ寮のラ・リューシュのこれまた古臭いドアを開けるとまず驚いたのは、外と相反して小綺麗にされているというなんとも言えない反比例。
中に入ると、まず目に入ったのは大きな階段。横幅2メートルはあるその階段の踊り場の変な絵を境に階段が左右に伸び、二階の廊下へと繋がっている。その二階部分は吹き抜けてはいるが、かろうじて二階の部屋のドアが見える程度。角度の問題だ、こりゃ。
一階部分はブランドバッグのようなポストが12個ある。…12部屋なのか、ここ。
しかし一階部分にあるのはこれだけ。
あるかと思っていた共用スペースがわりのテーブルや椅子もない。早い話が、ちょっと小綺麗な玄関口だ。
キョロキョロと周りを、3人揃って見ていると階段のあの変な絵の真ん中あたりからパカっと…、いや、ガラっと左から右に絵がスライドして中から人が現れる。
露出が多めで、ピンクと白のツートンの髪に同じカラーリングのメイド服調の服。
顔はアニメキャラのように目鼻立ちはくっきりとしており、まるでフィギュアのよう。似ているキャラがいるとするなら、あなたが私のマスターかと言いそうなイメージ。違う点が髪色くらいか。
一回か二回しか見たことがないからわからないけどさ。
「うぬら、特待生か?」
「あっ、私は違うよ。身元保証人よ」
「私は付き人です」
「特待生であり、身元を保証されてる身であり、付かれ人です」
ミカサさん、ガレさん、俺が問いに答えてみると桃白の髪のメイドは腕を組みながら
「よかろう。入寮を許可する。
その方、特待生のうぬは名をなんと申す?」
「カズマ・セイズ」
「カズマとな。うぬの部屋は二階にある、妾について参れ。
身元保証人と付き人のそち達も来い。」
口調がなんとなく上から目線なのがいささか気になるが、育ちの違いなんだろうと適当に考えつつ階段を登り、ピンクセイバーさんについて行くことにした。
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