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「ほほう」
「ね、散らかってすらいないでしょ?」
顎に手を添え、ほほうと呟く寮長の先にはテーブルでスイートポテトを切り分けるミカサさんの姿と、ナイフとフォークを持ってルンルン気分といわんばかりにはしゃぐガレさんの姿があった。ミカサさん、あんたエプロンどっから出したんだ。
「この者たちはカズマの妻だったか?」
「「ぶふぉっ」」
爆弾発言、と言う言葉を肉盛りしたような発言をした寮長の言葉に思わず吹き出す?2人。
「メイド服着てる方がガレットさん、もう片方のエプロン姿のエルフがミカサさん。
どっちも俺の眷属だけど俺は家族のように思ってるよ。
でも、まだ妻じゃない」
「「「まだぁ??」」」
「あ、いや。言葉のアヤです、はい。」
2:1のステレオ音声で凄まれた俺は思わず、というか無意識に萎縮してしまった。
あのタイミングで「まだ」というフレーズは確かに使うべきではなかった。やっちまったなぁ、って声が聞こえた気がしたが気のせいにしておくか。
「それにしても、ヴァンパイアとハイエルフを眷属にするとは、カズマはかなりの実力者なのか?」
「いや、ただの高校生なんですが。」
「その高校生が、何故魔族の中でも人間に対し友好的である種族のエルフと、一部地域では迫害すらされているヴァンパイアを眷属に出来るのやら。」
「ってかガレさんの種族バレバレ?」
「あぁ、妾のルームメイトにヴァンパイアのメイドがたまたまいてな。
マーリンというんだが、ぬしらの知り合いか?」
俺、ガレさんは赤べこが乗り移ったかのように首を縦に振る。
知り合いどころの騒ぎじゃねぇ。特に俺は。
「私と同じ、メイド仲間です。」
「えっ、マーリンってあのマーリンさん?」
「えぇ、いわゆる、あのマーリンさんですね。」
「どのマーリンだよ、どの」
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