547人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーむ…」
考えてはみるものの、暗殺みたいに開けっぴろげた時間帯に出来ないものをやるのか、それとも動画投稿でお金を稼ぐようなものか…。
「いや、You●uberはおろか半導体すら存在しませんよ」
「あらやだ口に出てたか」
「暗殺にしろなんにしろ、カズマさんはちょっとドンくさいので仕事は仕事、学園生活は学園生活とメリハリつけて集中するようになさってください。」
「あ、うん。
しかしドンくさいのがバレてるのがこわい。」
「いやモノローグに耽ろうとしてボソっと呟いた時点で気付きますよ。…私のことを、いちいち可愛いって言うし、なんなんですか」
途中から聞こえなかったというか、確かに聞こえなかった。おおむね俺への愚痴なのだろう、聞こえなかったが聞こえなかったことにしよう。
などと意味不明の決意を固めたあたりで、念話が入る。
「(お、やはり通じたか)」
「どなたですか」
聞き慣れた声だが、いまいち記憶に残っていない声。まぁ誰なのかはわかるのだが。
「(もう、あぁしの声忘れたの?マーリンよ、マーリン)」
「ガレさん、マーリンから念話入ってきた」
「何故にカズマさんに…あぁ、私の電話役が」
ガレさんがガクーンとテンションを落とし、往年のボクシング漫画の名シーンばりに白く燃えつきている姿を見つつ念話を続ける。
「どこのマーリンですか」
「(あら、あぁしの事知ってるんじゃなかったの?大魔導師であり、だいたい5~600年くらいは生きてる、今は白虎と生活してるピチピチのマーリンさんよ。)」
「あぁ、はいはい」
「(素っ気ないわね。あら、もしかしてガレと共同作業中だったかしら?)」
「今のところそれはないです」
「(今 の と こ ろ ?)」
「言葉のアヤです」
最初のコメントを投稿しよう!