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「じゃーなー、また明日ー」
「やっくー、漫画忘れんなよー」
「おー、分かってるって。明日なー」
HRが終わってすぐ。
部活がある友だちと教室で別れる。
オレは帰宅部。
のんびり荷物をまとめる。
野久 卯玄
やくうげん
オレの名前。
やく、やっくー、やっくん、うげとか呼ばれてる。
坊さんみたいだけど、ただの高1。
家もごく普通で、共働きのサラリーマン。
不満は無いけどさ。
ただ、初対面の人は必ず読めなくて困る。
親は何を思ってこの名前を付けたのか、未だに謎なんだけど。
イメージはあれ。
あの、駐車場で尾をフリフリ歩いてる白黒の鳥。
ハクセキエイって言うらしい。
卯が白、玄が黒だって。
…子供に鳥イメージで名前つけるってなかなか無いよ
今日も外跳ねしてる襟足の毛を触る。
これも、親にハクセキエイって言われる原因。
尾羽みたいだね～、って生暖か～く微笑まれる。
産まれてからずっと跳ねてて、何をしてもなおらない。
気にしすぎて、気付いたら触るのが癖になってた。
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