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「おい!待て!見かけないやつだな!いや、どこかで見たことあるような?」
「私のことですか?」
と、振り返ってみたら、大きな牙の、長い舌をだらりとたらした、世にも恐ろしい顔のオオカミが立っていました。
「そうだ!お前だ!」
「私に何か用ですか?」
「何か用だと!用だから呼んだんだ!文句あるか!」
と、恐ろしい声で吠えます。
恐くなったアイは、どうしたらよいかわかりません。
「では、どのような用があるのでしょうか?」と 恐 る恐る聞いてみました。
「うむ。お前の走っている姿を見て、追いかけてきた!」
「私の走る姿?」
「そうだ!ピョンピョン跳ねている!」
「それが何か?」
アイには、さっぱり、わからなくて、首をひねりました。
「そんな走り方、見たことない!」
「そうですか?私たちウサギは、みんな、この走り方ですよ。」
「跳ぶように走る。つまり、ウサギ跳びだな!」
「それで、追いかけてきたのですか?」
「いいや。捕まえることができそうにないから、まず、呼び止める。そうして、お前を食ってやろうと思ったのさ!」
と言うなり、オオカミは、アイに襲いかかりました!
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