半端ない

2/3
前へ
/3ページ
次へ
「亮太、そこ私の席。退けて」 席替えをしてからというもの、私の席に当たり前に座る私の幼馴染み。 私の席の後ろに彼の親友がいて、それで休み時間の度に来る。 「あ、悪い」 そう言いながら立ち上がるわけでもなく僅かにお尻を動かすだけ。 ……? 「何?それ」 「いや、だから、半分こ」 「は?」 学校の小さなイスに更に半分ことか、有り得ない。 「何?照れてんの?」 「べっ別にそんなんじゃないわよ。座れば良いんでしょ」 そうは言ったが、実際に座ってみると密着度が予想以上に半端ない。 亮太はそれに微塵も気にすることなく、私の後ろに座る親友とのおしゃべりに夢中だ。 そりゃあ亮太は平気かもしれないだろうけど……私は気にする。 ……ばか。 他の女の子にも、こんなこと……するの? 想像するだけで、言い表せない気持ちが心に広がっていった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加