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扉が開いて、三人の刑事が入ってきたあと、一命を取り留めた生徒後いると聞いた。
「それは残念」
「そうだね。あんなに調べてしても、完璧はないんだ」
「だな。確認すればよかった」
「お前誰と話してる?」
「友達と話して何が悪いんだよ」
「ここにはお前一人だけだ!馬鹿なことを言うな」
かなりイライラとしてまた出ていき、鏡の向こうから誰かは見ているだろうと死角に入るが、すぐに檻の中に入れられる。
「もう疲れたな……」
「Tシャツ脱げよ」
「いいよ」
「その脱いだ服破って紐にしろよ」
「出来るかな?ハサミもないのに?」
「歯で噛めばいいだろ?」
「楽しかったなぁ。まだ感覚残ってるよ!今までで一番楽しい時間だった」
「もっと遊べば良かったな」
結局俺がやるのかとひも状に何とかし、格子に巻き付けて首にかける。
「力を抜いたら終わりだ」
「いいね」
首に紐をかけ、半分つられるようにして足を伸ばしていく。
視界が暗くなり、顔や頭に血が登る感覚が……息ができず、手を離してしまいそうなのをぐっとこらえるが、元々何も食べていないため体力もそこまでない。
流れに身を任せ、視界が闇となった時、笑顔でいた自分はいつまでだったのだろうと思う。
よく聞く走馬灯もなく、気づけば自分が二人。
自分を見下ろしていた__
(終)
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