人格

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もう限界だ__ それから学校を休み一月がした頃、何度か担任が自宅にやってきたので全てを話す。 「あいつらは成績もいいし、クラスのまとめ役だ。そんなことをすることはあり得ない」 先生は必ずそう言うと思っていたので、今まで拾い集めてきた数々の証拠を持ち帰っていたものを出す。 母親は泣くばかりで父親は無関心。更にはくすねた金のことを追求され、余計に部屋から出ることをやめた。 数ヶ月引きこもると、近所の同級生もプリントなど持ってこなくなった。 雨戸を閉め、学習机の明かりだけで毎日過ごしていたが、親もそのうち食事さえ運んでくれなくなった。 飢えと渇き。 耐えられるだけ耐え、誰もいない時にトイレに行き、どうしても我慢出来なかった時にはスナック菓子の袋に尿と便を入れ、窓から捨てていた。
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